2026-08

植物生理・発生

植物はRNAで病原菌を黙らせる――その防御シグナルを「スプレー」に変えた研究

植物がストレス応答で使うmiRNAを模した短いRNAをオオムギ葉に散布すると、うどんこ病菌の感染が大きく低下した。植物由来miRNAをSIGSへ転用する新しい設計思想と、その限界を読み解きます。
植物生理・発生

暑いと気孔は開く?閉じる?――新発見から見えてきた植物の「水と熱」の統合制御

暑いと植物は気孔を開くのか、閉じるのか。2026年のUBP24新発見を入口に、乾燥で閉じる経路、高温で開く経路、そして両者が競合する現在の気孔制御モデルを整理します。
植物生理・発生

植物は花を咲かせる直前に「減速」する―シロイヌナズナで見つかった花成の臨界現象

シロイヌナズナの花成では、AP2が単純に減るのではなく「速い→遅い→速い」と変化します。定量イメージングと数理モデルから見えてきたcritical slowing down、ghost attractor、双安定な発生状態遷移を解説します。
病害・共生・相互作用

4つの抵抗性遺伝子は同じものだった―小麦黄さび病Yr26の正体を追う

小麦黄さび病抵抗性のYr26、Yr24、YrCH42、YrG22は、2026年のクローニング研究で同じ分子遺伝子へ統合されました。なぜ一つの遺伝子に複数の名前が付くのか、Yr26の膜タンパク質としての正体、Ca²⁺依存的細胞死、エンマーコムギからパンコムギへの進化史まで解説します。
植物生理・発生

植物が出す酸素はCO₂からではない―水からO₂が生まれる瞬間を追う

植物が光合成で放出するO₂の酸素原子はCO₂ではなく水に由来します。1931年の仮説、1941年の¹⁸O実験から、PSIIのMn₄CaO₅クラスター、Kokサイクル、2026年に再確認されたS₃状態のO6まで、水からO₂が生まれる機構を追います。
研究

栽培ギクはどこから来た? 六倍体ゲノムが解いた中国・日本・世界の菊の歴史

Nature Plantsの最新研究から、六倍体栽培ギクの中国・日本にまたがる起源と栽培化を解説。青いキク研究も交え、六倍体植物の育種・遺伝子組換え・ゲノム編集の難しさと可能性を考えます。
研究

イネ科はなぜ地球で成功した? デンプンとリグニンを変えた“代謝バイパス”の起源

Science誌の最新研究から、イネ科に特徴的な細胞質型デンプン合成と、チロシンからリグニン前駆体へ入るPTAL経路の進化を解説。全ゲノム重複とPAL遺伝子重複が、異なる代謝革新を生み出していました。
研究

1塩基欠失でイネが強くなる? 乾燥といもち病に二重耐性を与える短縮NLR

イネのNLR8に生じたわずか1塩基の欠失が、乾燥耐性といもち病抵抗性を同時に高める自然変異NLR8-Hap2を生み出していました。Nature Communicationsの最新研究を解説します。
遺伝・ゲノム・育種

「分裂組織まで届けない」という発想。TRVとTnpBでトマトの遺伝性ゲノム編集を速くする

植物ウイルスTRVに小型ゲノム編集酵素TnpBを載せ、感染部位近傍からde novo shootを形成させることで、トマトの次世代へ編集を伝えるPNAS論文を詳しく読み解きます。
遺伝・ゲノム・育種

朝は雌、午後は雄――アボカドの開花時計を支えるSDMYBと4400万年以上の多型

アボカドA/B型の開花時刻差をSDMYB haplotypeへ結び付け、44 million yearsを超えるtrans-species polymorphismとして示したPNAS 2026研究を解説します。