植物生理・発生

5年生マカダミアに「遺伝子導入した根」を生やす――成熟木を直接使う毛状根形質転換の可能性と課題

5年生のマカダミア成木に直接、遺伝子導入された毛状根を作るin planta形質転換系が報告されました。成熟木を培養皿に戻さない発想は魅力的ですが、RUBYによる代謝攪乱、Ri T-DNAの影響、日本での利用条件など、実用化までにはまだ課題があります。
植物生理・発生

プラスチドHXK3を失うと花粉形成が崩れる――再現性のある土台から見えた糖代謝とROSの接点

キュウリのプラスチド局在型ヘキソキナーゼCsHXK3を欠損すると、糖・デンプンだけでなくROSとタペートPCDまで乱れました。既知のHXK–雄性生殖の関係を別の試験系で再確認し、その上に新しい機構を積み上げた研究を読み解きます。
研究

トマト13系統を45℃で比べた研究――耐熱性の「部品」は、まだ植物の中に眠っている

栽培トマト2品種と野生近縁種11アクセッションを45℃で比較した研究。耐熱性を成長、膜保護、ROS防御などの「部品」に分けて見ると、総合評価だけでは見落とす遺伝資源の価値が見えてきます。さらに、こうした違いが食味や品質にも影響していたら?という論文外の予想も考えます。
植物生理・発生

バイオスティミュラントを『作物―害虫―天敵』で評価した研究――生態系適合性という次の視点

海藻由来バイオスティミュラントを、作物・アブラムシ・寄生蜂の三者系で評価した2026年の研究を読み解きます。生態系適合性という新しい視点と、今後改善すべき評価設計の課題を整理します。
植物生理・発生

植物はRNAで病原菌を黙らせる――その防御シグナルを「スプレー」に変えた研究

植物がストレス応答で使うmiRNAを模した短いRNAをオオムギ葉に散布すると、うどんこ病菌の感染が大きく低下した。植物由来miRNAをSIGSへ転用する新しい設計思想と、その限界を読み解きます。
植物生理・発生

暑いと気孔は開く?閉じる?――新発見から見えてきた植物の「水と熱」の統合制御

暑いと植物は気孔を開くのか、閉じるのか。2026年のUBP24新発見を入口に、乾燥で閉じる経路、高温で開く経路、そして両者が競合する現在の気孔制御モデルを整理します。
植物生理・発生

植物は花を咲かせる直前に「減速」する―シロイヌナズナで見つかった花成の臨界現象

シロイヌナズナの花成では、AP2が単純に減るのではなく「速い→遅い→速い」と変化します。定量イメージングと数理モデルから見えてきたcritical slowing down、ghost attractor、双安定な発生状態遷移を解説します。
病害・共生・相互作用

4つの抵抗性遺伝子は同じものだった―小麦黄さび病Yr26の正体を追う

小麦黄さび病抵抗性のYr26、Yr24、YrCH42、YrG22は、2026年のクローニング研究で同じ分子遺伝子へ統合されました。なぜ一つの遺伝子に複数の名前が付くのか、Yr26の膜タンパク質としての正体、Ca²⁺依存的細胞死、エンマーコムギからパンコムギへの進化史まで解説します。
植物生理・発生

植物が出す酸素はCO₂からではない―水からO₂が生まれる瞬間を追う

植物が光合成で放出するO₂の酸素原子はCO₂ではなく水に由来します。1931年の仮説、1941年の¹⁸O実験から、PSIIのMn₄CaO₅クラスター、Kokサイクル、2026年に再確認されたS₃状態のO6まで、水からO₂が生まれる機構を追います。
研究

栽培ギクはどこから来た? 六倍体ゲノムが解いた中国・日本・世界の菊の歴史

Nature Plantsの最新研究から、六倍体栽培ギクの中国・日本にまたがる起源と栽培化を解説。青いキク研究も交え、六倍体植物の育種・遺伝子組換え・ゲノム編集の難しさと可能性を考えます。