屋久島の高山植物はなぜ小さい?――40 taxa pairが示したヤクシカ採食圧によるassemblage-level dwarfism

生態・進化

屋久島高標高域には、近縁の本土植物より極端に小型化したtaxaが80以上知られています。2024年の Journal of Ecology 研究は、低温・土壌・系統関係だけではなく、ヤクシカの長期grazing pressureがこのassemblage-level dwarfismを説明するか検証しました。

40 taxa pairを比較

ヤクシカの採食圧を受ける屋久島高標高植物

2020–2022年に屋久島高標高の40 plant taxaを測定し、九州・四国・本州または屋久島低地のclosest/comparable taxaと比較しました。

climate、soil nutrient proxy、phylogenetic relationship、deer preferenceをmodelへ入れると、deer preferenceがplant size variationを一貫して説明しました。

特にdeerが好むpalatable taxaほど小型化が強く、unpalatable taxaでは差が小さくなりました。

“シカに食べられたから小さくなった”のではなく進化的変化

屋久島の高標高環境とdwarf plant taxa

一世代の食害で小さくなった植物を測った話ではありません。common-garden的比較やgenetic analysisから、dwarf ecotypeは長期のlocal adaptationとして形成されたと考えられ、いくつかは数万年規模の分化が示唆されました。

小型化はdeerのmouth anatomy/foraging behaviorから逃れやすく、grazed時のbiomass lossも小さくできる可能性があります。

abiotic environmentも無関係ではない

屋久島高地は多雨、低栄養、低温、fogなど厳しい環境です。研究はこれらをmodelで考慮した上でもdeer preferenceの説明力が強いと示したもので、abiotic factorがゼロだと証明したわけではありません。

現在のシカ増加への即時応答とは限らない

ヤクシカは長期に島へ存在してきたと考えられます。この結果を「近年シカが増えた数十年で80種が矮化進化した」と読むのは誤りです。

この研究は、herbivoreとのinteractionが単一speciesだけでなくplant assemblage全体のfunctional convergenceを形成し得ることを示します。

関連するテーマとして、植物のナトリウムが少ないと幼虫は共食いする――ヒマワリ×Chlosyne lacinia実験もあわせて読むと背景がつながります。

関連するテーマとして、花粉の種類でミツバチの代謝は変わる――6種mono-dietがfat bodyとenergy reserveへ与えた影響もあわせて読むと背景がつながります。

関連するテーマとして、植物の「抵抗性」とは何か――トウモロコシとハダニから見るantixenosis・antibiosis・耐性もあわせて読むと背景がつながります。

参考文献

  • Takahashi D. Deer grazing drove an assemblage-level evolution of plant dwarfism in an insular system. Journal of Ecology. 2024. https://doi.org/10.1111/1365-2745.14309

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