2024年の Nature Communications 研究は、辛味を持つCapsicum annuumと、近縁の非辛味野生種C. rhomboideumについてtelomere-to-telomere(T2T)gap-free genomeを構築し、capsaicinoid biosynthesisの進化と組織特異性を解析しました。
約80%がrepeatの巨大pepper genomeをgap-free化
Capsicum genomeは約3 Gbでrepeat-richです。本研究はC. annuumとC. rhomboideumの完全性の高いT2T assemblyを作り、centromereやtelomereを含む比較genomicsを可能にしました。
辛味はphenylpropanoid+branched-chain fatty-acid pathwayの合流点
capsaicinoidは複数pathway由来の前駆体をcapsaicin synthase(CS/Pun1-related acyltransferase)が結合して作ります。T2T genomesとphylogenomicsから、key gene duplicationやfunctional pathwayの成立・喪失をより精密に追跡しました。
ただし著者らも、Capsicum 40 species超に対してhigh-quality genomeがまだ少なく、辛味の“誕生時点”を完全に確定したわけではないとしています。
placenta-specific open chromatinが辛味組織を作る
pepperのcapsaicinoid synthesisはfruit placentaで強く起こります。RNA-seq、ATAC-seq、DNA methylation解析ではCS-2、MYB31、MYB48周辺にplacenta-specific open chromatin region(OCR)が見つかりました。
CS-2は主要functional gene候補で、非辛味C. annuum accessionsではupstream OCRを含む2.4-kb deletionがcapsaicinoid lossと関連しました。
つまり辛味の有無はcoding geneだけでなく、どの組織でgeneを開くかというcis-regulatory/chromatin controlにも依存します。
「辛味を自在に設計できる」までには距離がある
このgenomeはpungency breedingやmetabolic engineeringの強力なresourceですが、capsaicinoid量は多数gene・regulatory element・developmental stageに依存します。
“このgeneを編集すれば辛さを好きな数字にできる”という完成したdesign ruleを提示した研究ではありません。
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参考文献
- Chen W et al. Two telomere-to-telomere gapless genomes reveal insights into Capsicum evolution and capsaicinoid biosynthesis. Nature Communications. 2024;15:4295. https://doi.org/10.1038/s41467-024-48643-0


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