都市のカタバミはなぜ赤い?――ヒートアイランドで赤葉型が有利になるrapid urban evolution

生態・進化

カタバミ(Oxalis corniculata)には緑葉型と赤〜赤紫葉型があります。2023年の Science Advances 研究は、このleaf-color polymorphismが都市heat islandへの適応と関係するかを、local・landscape・global observation、growth experiment、photosynthesis、population genomicsで検証しました。

都市環境で見られる赤葉のカタバミ

都市では赤葉、緑地では緑葉が多い

東京周辺の<500 m scale、<50 km scaleに加え、iNaturalist由来のglobal observationsを解析すると、urban habitatほどred-leaved individualsの頻度が高く、green habitatではgreen-leaved typeが優勢でした。

赤葉はheat stressで有利、緑葉は平常条件で有利

緑葉型と赤葉型Oxalis corniculataのheat stress比較

25℃などnonstress条件ではgreen-leaved plantsのdry biomassやseed pod数が高い傾向でした。

一方、35℃ growth chamberやbrick pavementを使ったheat-stress experimentではred-leaved plantsのsurvival・growth・reproductionが有利になりました。photosystem IIのFv/Fmもheat stress後にred leafで保たれました。

つまり赤葉にはstress tolerance benefitがある一方、穏やかな環境ではcostがあるtrade-offです。

anthocyaninは多いが、因果mechanismの全てではない

Oxalis corniculataの緑葉と赤紫葉の比較

red leavesではanthocyaninとchlorophyll contentが高く、red pigmentのspectrumもanthocyaninと整合しました。anthocyaninによるlight attenuationやROS scavengingは有力mechanismですが、この研究だけで「anthocyaninが全ての耐熱性を生む」と因果を完全に切り分けたわけではありません。

5282 SNPは赤葉が複数回進化した可能性を示す

Oxalis corniculata leaf-color variationのpopulation genetic analysis

東京周辺136 individualsから5282 SNPを解析。phylogenyとleaf color distributionから、red-leaf phenotypeがancestral greenから複数回独立に生じた可能性が示されました。

都市は人間が作った新しいselection environmentです。この身近な雑草は、urban heat islandがrapid adaptive evolutionを起こし得ることを見せる好例です。

関連するテーマとして、日本の高山紅葉はどれだけ色あせる?――早いgreen-upと将来brightness低下の予測もあわせて読むと背景がつながります。

関連するテーマとして、米国とAmazonで大きな木が増えている――でも「温暖化で木が太った」とはまだ言えないもあわせて読むと背景がつながります。

関連するテーマとして、ムラサキカタバミの花模様を顕微鏡で見る――濃い紫の筋は細胞の色分けでできていたもあわせて読むと背景がつながります。

参考文献

  • Fukano Y et al. From green to red: Urban heat stress drives leaf color evolution. Science Advances. 2023;9:eabq3542. https://doi.org/10.1126/sciadv.abq3542

コメント

タイトルとURLをコピーしました