理系猫凛

研究

植物間の揮発性物質を介したダメージコントロール。悲鳴をあげ、周りの植物に「お前もなるぞ」と覚悟させている。

動けないし話せない植物は香りで情報共有する。 皆さんご存知のように、植物は動けません。葉擦れの音はすれど、話すことはできません。しかし、確かに植物は植物とコミュニケーションを取っています。例えば、香りのような揮発性物質を放出して、近くの植物...
研究

糸状菌の改変で作る「フェイクミート」の可能性。

代替肉の研究 私達は日常的に安定供給される肉を食しています。この安定供給は環境負荷の代償を払うことで成り立っており、いつかはなんとかしないとならないはずです。例えば、動物性タンパク質を家畜を育てて得る場合、植物性タンパク質に加えて何十倍もの...
研究

赤色レーザーを植物に照射すると、遺伝子発現が変化して生育が良くなった。

赤い光の効果を経験的に知る現場 「朝日と夕焼けを浴びた植物は良いものが取れる」と研究者と農家の方から聞いたことがあります。どちらも赤~オレンジ色の光ですね。朝焼けで浴びると収量が伸び、夕焼けで浴びると質が上がると研究者の方が考察していました...
研究

ジャポニカ米‐インディカ米のハイブリッド米を作るために、イネの「時計」を合わせる。

今も昔もコメの改良をしてきた人類 皆さん、お米は好きですか。糖質オフ・糖類ゼロ・糖質制限と世の中叫ばれていますが、やはり米は美味いです。米を主食とする場合の多い日本食は、米を美味しく食べるために発達したのではないかと思うほどです。世界に目を...
研究

経済制裁のために、新たに木材の産地特定技術が開発される。

経済制裁逃れの木材を特定したいという需要 2021年頃から「ウッドショック」という単語を効くようになりました。端的に言えば木材不足。2020年のコロナ禍を端に、2022年からのロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、市場の木材が不足しています。...
研究

放牧で山火事の発生確率を減らす。

昨年(2023年)もオーストラリアの山火事のニュースを目にしました。ユーカリの特性を踏まえると、山火事が起こることが前提の環境という興味深い側面もありますが、林業経営においてはやはり痛手だと思います。 そんな山火事を低コストで抑えるには「放...
研究

植物の生育を制御する「植物ホルモン」は微生物を介して供給できる。

植物の生育を制御する因子は様々あります。外的な環境からの気温や光、湿度などといった物理的な因子に加え、植物体内における制御因子も様々研究されています。植物バイオテクノロジー分野に置いて、「組織培養」の技術は必須であり、主に「植物ホルモン」の...
研究

エタノールの散布が、トマトの葉の成長と収量に対する熱ダメージを軽減する。

エタノール処理がトマトの熱ストレス耐性に寄与するという論文が発表されました。日本の理研発です。地球温暖化が叫ばれる昨今、熱ストレスは全世界の農作物生産に大きな問題を引き起こしており、効果的な対策が求められています。これまで熱くならなかった地...
研究

抗酸化と抗菌をもたらすピスタチオ。

ピスタチオの未知なる力 ピスタチオはお好きですか。酒の肴として、おやつとして、糖質制限にも適した美味しい木の実ですよね。ピスタチオは今も研究が進み、知られざる力があることが、どんどん明らかになっています。ピスタチオの緑の皮から抽出されたエッ...
研究

生物模倣-イチジクの葉の形態からヒントを得た効率的な点滴灌水装置-

菩提樹(インドボダイジュ)の葉の形を知っていますか? 現代の灌漑農業は、地球上で利用可能な淡水の約70%を消費しています。これによる水不足は、約40億人に影響を及ぼし、今後も増加すると予想されています。特にトウモロコシのような作物は、水不足...