理系猫凛

研究

異常気象の時代に、なぜ木は太くなるのか?—— CO₂増加による肥料効果と温暖化がつくる“静かな巨大化現象”

気候変動で森が枯れる──その常識の裏で、北米とアマゾンの木々が太っている。CO₂肥料効果と温暖化が生み出す“静かな巨大化”の正体を、2報の最新論文から読み解きます。
研究

電気刺激を介して植物を強化する。植物防御のハブタンパク質HY5の新しい機能を解明

光応答転写因子HY5が、根からの電気シグナルを統合してジャスモン酸防御を誘導する仕組みを解説。HY5は「二役をこなすハブ」として葉と根を結び、植物全身の免疫を強化します。
研究

葉脈はなぜあの太さで止まるのか?──“水道管”と“骨格”のせめぎ合いが生む最適設計

落ち葉の葉脈はなぜ先端で細く、基部で太いのか?147種を比較した最新研究が示したのは、水や養分を運ぶ「水道管」と葉を支える「骨格」という二重機能のせめぎ合い。自然が導いた最適設計の秘密を解説します。
研究

大豆の「種の重さ」を決める新遺伝子 SW14──自然変異が収量と品質のバランスを左右する

大豆の新遺伝子SW14とその自然変異H3型が、種子の重さやタンパク質・油含量に与える影響を解説。収量と品質のバランスを巡る最新研究と未来の育種戦略を紹介します。
研究

未来の”植物群落”は遠赤外線の利用で生産効率爆上がりしているはず──シミュレーションでみえた新型植物の可能性。

遠赤色光を吸収できるクロロフィル d/f を作物に導入した場合の効果を精緻な3次元シミュレーションで検証。光合成が最大26%向上する可能性や水利用効率、量子コンピューター時代につながる意義を解説します。
研究

根から葉へ移動するmRNAが冷害耐性を強化する——接ぎ木キュウリにおける新しい分子機構

Nature Communicationsに報告された研究で、かぼちゃ由来mRNA「CmoKARI1」が接ぎ木キュウリで根から葉へ移動し、冷害耐性を強化することが判明。分子通信の解明と育種戦略としてのプラントハックの可能性を詳しく解説します。
研究

レインウォッシュDNA――雨粒が運ぶ樹冠の秘密と地球規模での生物多様性研究

「レインウォッシュD雨林の樹冠を解き明かす最新研究。雨粒が運ぶ環境DNAから生物多様性を解析し、森林保全や気候変動対策に新たな道を拓くPlant Hackを解説。
研究

ジャポニカ米の「窒素効率」を底上げ——転写因子OsNLP4で収量アップ、環境負荷ダウン

Nature Communications(2025)のOsNLP4研究を詳解。インディカ型アレル導入でジャポニカの収量・NUEが12〜25%改善。窒素と鉄の併用施肥で30〜32%へ。持続可能農業と環境負荷低減の新しい道筋を解説。
研究

カナダ産アブラナ・小麦・エンドウ豆は本当に低炭素なのか――“地産地消=低排出”に一石を投じる最新研究

Nature Food(2025/08/05)掲載の最新研究をもとに、カナダ産アブラナ(カノーラ)・小麦・エンドウ豆のカーボンフットプリントを国際比較。土壌有機炭素(SOC)とN₂Oが鍵となり、一部では長距離輸送後でも現地生産より低排出となる可能性を解説します。調達・政策・生活の実践ポイントも紹介。
植物共暮

マカダミアナッツの殻が硬い理由──自然が生んだ最強のバイオマテリアル

マカダミアナッツの殻の硬さの秘密を科学的に解説。リグニン構造や進化的背景、機能性食品としての魅力、バイオミメティクスへの応用、割り方の実用情報まで網羅。