トウモロコシ支柱根をゲノムから読む――倒伏抵抗性3形質のGWASとgenomic selection

遺伝・ゲノム・育種

トウモロコシのbrace root(支柱根)は茎を支え、lodging resistanceへ関与します。2024年末の Scientific Reports 研究は、multi-parent doubled-haploid populationを使い、brace-root traitsのGWASとgenomic selectionを行いました。

解析したのは3つのbrace-root trait

対象はbrace root penetrometer resistance(PR)、root number(RN)、tier number(TN)です。3形質ともgenotype×environment interactionの影響を受けましたが、heritabilityはRN 79.25%、TN 81.00%、PR 74.28%と比較的高い値でした。

22 SNP・50 candidate geneを同定

トウモロコシのbrace root(支柱根)

FarmCPU modelのGWASで22 SNPが検出され、50 candidate genesが挙げられました。Zm00001d028733、Zm00001d002350、Zm00001d002349、Zm00001d043694などがbrace-root growthへ関与する候補です。

旧記事の「支柱根形成スイッチ遺伝子を特定」という表現は強すぎます。candidate geneをGWASで絞った段階で、単一のcausal switchを機能証明した研究ではありません。

genomic prediction accuracyは0.36〜0.51

genome-wide SNPを使った5-fold cross-validationでprediction accuracyはRN 0.39、TN 0.36、PR 0.51でした。significant SNPを100〜300利用するとaccuracyを改善できると報告されています。

これは「支柱根を強くすれば必ず高収量」という話でもありません。実用品種ではlodging、root architecture、yield、soil condition、plant densityのtrade-offを同時に評価する必要があります。

関連するテーマとして、インディカ型OsNLP4をジャポニカへ――多地点圃場で収量・NUEを12〜26%高めた自然変異もあわせて読むと背景がつながります。

関連するテーマとして、ダイズ種子の重さ・protein・oilをSW14が配分する――NF-Y複合体を抑える自然変異もあわせて読むと背景がつながります。

関連するテーマとして、カボチャ台木からキュウリ葉へ移動するmRNA――CmoKARI1がisoleucine→JA-Ile経路で冷害耐性を高めたもあわせて読むと背景がつながります。

参考文献

  • Lin S et al. Genome-wide association study and genomic selection of brace root traits related to lodging resistance in maize. Scientific Reports. 2024;14:31898. https://doi.org/10.1038/s41598-024-83230-9

コメント

タイトルとURLをコピーしました