野生ダイズにとって莢が弾けるpod shatteringは種子散布に有利ですが、農業では収穫前lossにつながります。2024年の Nature Communications 研究は、栽培ダイズのshattering resistanceが主にSh1とPdh1という近接する2遺伝子の自然変異を人為選抜した結果であることを示しました。
遺伝子組換えで初めて作った形質ではない
旧記事では研究チームがSh1/Pdh1 double mutantを新たに遺伝子組換えで作ったように読めました。実際の中心は、wild soybeanとcultivated soybean、RIL、QTL mapping、GWAS、代表germplasmのallele distributionを統合し、栽培化の過程で選ばれた自然変異を解読することです。
Sh1はabscission layerのcell wallを変える

Sh1はC2H2-like zinc-finger transcription factorで、SHAT1-5を抑制します。その結果、pod sutureのabscission layerにあるfiber cap cellのsecondary wallが薄くなり、莢が開きやすくなります。
sh1 loss-of-function側ではこの抑制が弱まり、cell wallが厚くなってshattering resistanceへ寄与します。
Pdh1はpod wallのねじれを作る
Pdh1はdirigent proteinをコードし、inner sclerenchymaでasymmetric lignin distributionを作ることでpod wallにtorsionを発生させ、乾燥時のshatteringを促します。
pdh1 mutationはこのねじれ力を弱めます。Sh1とPdh1は近い位置にあり、両方のresistance alleleが組み合わさることで強い非開裂性が形成されました。
現代elite soybeanはすでに多くがshattering resistant
この研究は「これからSh1/Pdh1を変異させれば初めて非開裂品種が作れる」という話ではありません。多くのelite cultivarはすでに栽培化・育種を通じてshattering resistanceを持っています。
重要なのは、6000年以上のdomesticationで何が選ばれてきたかを分子・細胞レベルで説明したことです。乾燥条件などでなお発生するpod shatteringをさらに抑える育種や、他のlegume cropのdomestication研究にも使える基盤になります。
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参考文献
- Li S et al. Artificial selection of mutations in two nearby genes gave rise to shattering resistance in soybean. Nature Communications. 2024;15:7588. https://doi.org/10.1038/s41467-024-52044-8


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