食品

研究

新品種の一歩手前。強みを活かした混植は農業開発スピードを加速する。

複数の品種を同じフィールドで栽培する「混植」の可能性を示してくれる興味深い研究が報告されました。今回は混植の可能性について、お話したいと思います。 混植の可能性 複数の植物種や品種を同じフィールドに植える「混植」は、さまざまな恩恵をもたらし...
研究

毒と薬は紙一重。植物にとって毒とされてきた物質「フシコクシン」による植物成長促進効果。

これまで毒と認識されてきた物質が、適切な環境であれば「成長促進」という逆の効果を示すことがわかりました。その物質は「フシコクシン」です。植物病原菌から単離された物質で、樹木の枯死を招いてしまう毒として認識されていました。しかし、フシコクシン...
レビュー

2024年の小麦育種最前線:次世代品種と規制の新たな展望

2020年、トランスジェニック(遺伝子組換え)小麦である「HB4」がアルゼンチンで初めて商業栽培が許可されました。これは小麦遺伝子改良における歴史的な出来事でした。「HB4」は干ばつに耐えられる品種で、農業における気候変動への対策としてとて...
研究

莢が開かないダイズを求めて。ダイズの開裂遺伝子の探索は続く。

ダイズは世界で重要な作物です。ダイズ食品が食卓に並ばない日は無いと言っても過言ではないでしょう。このダイズの収量を左右する課題の1つに「莢の開裂」があります。簡単に言うと、乾燥時の種の飛び散りやすさです。ダイズが飛び散りが減ると、収量が減ら...
研究

トゲを作る重要な遺伝子を発見!トゲ無しのバラも作れるかもしれない。

「美しいバラにも棘がある」「茨の道」など、トゲと植物の縁は深いものです。そんなトゲを制御する遺伝子が特定され始めています。しかも、1つの植物種属内だけでなく、多数の種属で同様の遺伝子が特定されました。 植物の「トゲ」は、自然界では必要。でも...
レビュー

“Alternative Protein”代替タンパク質の2024時点でのレビュー

代替タンパク質の未来:持続可能な食糧供給への挑戦 2050年までに世界の人口が97億人に達することが予想され、全ての人に十分な栄養を提供するための食料生産が課題となっています。特に、タンパク質の需要が増加して、従来の家畜からの供給だけでは対...
研究

ゴミじゃない!ヘーゼルナッツの種皮は利用価値がありそう。

ヘーゼルナッツの種皮は廃棄物だった ヘーゼルナッツ、美味しいですよね。お菓子として親しまれているヘーゼルナッツは、カバノキ科ハシバミ属の植物です。硬い種皮に覆われている様子はどんぐりに似ていますが、ブナ科ではありません。食用にする際には、こ...
研究

からし菜から作るナチュラル除草剤。Biofumigationの可能性。

植物のアレロパシーによるバイオ燻蒸(Biofumigation) バイオ燻蒸(Biofumigation:Bio=生物、Fumigation=燻蒸消毒)を知っていますか?「バイオ燻蒸」は、植物が持つ自然の化学物質を使って土壌中の病害虫や雑草...
研究

唐辛子のゲノム解析。カプサイシンの生合成系の解明へ近づけば辛いもの食べ放題?

カプサイシン生合成の研究最前線 辛い食べ物は世界中で食べられていますね。刺激的な辛味が食欲を刺激する面もありますが、辛さの原因物質であるカプサイシンは、食べると代謝活性の上昇など健康面での機能も研究が進みます。カプサイシンの生合成経路は意外...
研究

輪作・混作のススメ。土壌中の微生物群衆構造を変化させて収量Upが可能な未来。

植物と土壌菌の共生関係 普段私達が食している作物の殆どが、田畑の土壌で作られています。健全に生育する植物は土壌微生物と絶妙なバランス感覚で共生関係を築いています。この共生には様々なパターンが存在します。例えばマメ科植物と根粒菌は、植物の根に...