理系猫凛

研究

大麦のNAC遺伝子が拓く環境ストレス耐性 ─ パンゲノム解析で見えた進化と育種戦略

大麦のNAC遺伝子ファミリーを20系統のパンゲノムで解析し、塩ストレス耐性の進化・多様性・発現パターンを解明。地球温暖化や食料危機への対応策として、育種への応用可能性を探る。
研究

爆ぜるキュウリの超弾道メカニズム――Ecballium elaterium が種子を12 m飛ばす仕組み

スキュアーティング・キュウリは果実を自爆させ、秒速10 mで種子を射出します。最新研究が明かした53°の発射角、6列マガジン構造、27 N級“瞬間接着”粘液まで、植物生体力学の最前線を10分で理解。
研究

”ほぼゴミ、まれに宝”の設計(DNA)切れ端――植物のeccDNAを読み解く最新研究

eccDNAは多くが副産物だが、稀にコピー数ブーストや再統合のタネになる。“全長”で読み解いた最新研究から、TE・エピゲノム・細胞状態との関係を解説。
植物共暮

七十二候・大雨時行──夕立を連れてくる空と、胡瓜の涼

夏の終わりを告げる「七十二候・大雨時行」。入道雲、稲妻、畑に走る涼気。雨に弱い作物の注意点と、旬のきゅうりの科学・おいしい食べ方、「冷や汁」レシピまでを解説です。
研究

葉の気孔は表裏で別設計だった――光で開くカリウムチャネルの使い分けが示す、葉の節水の知恵

葉の表面と裏面で気孔のK⁺チャネル構成が異なる最新知見を解説。裏はKAT1、表はAKT1が中心となり、光応答と水利用効率の両立に寄与。Nature Plants 2025の研究をわかりやすく紹介。
研究

スプレー10分で細胞内へ:アミノ酸輸送体ナノ粒子が植物の薬剤送達を刷新

Asp修飾ナノ粒子がAAP1/LHT1を介して外力なしに植物細胞へ到達。10分で取り込み、ABAの耐乾燥効果を超低用量で実証。仕組みと応用をわかりやすく解説。
研究

重力が強くなると植物はどう変わる?――6〜10 Gでコケの光合成能力が高まる仕組み。

コケ Physcomitrium patens を1・3・6・10 Gで8週間栽培。6〜10 Gで群落の光合成とCO₂拡散が増加。葉緑体の大型化と株数増、AP2/ERF(IBSH1)関与の仕組みを解説。
研究

種子サイズの秘密は“栓”にあった!—受精のスイッチで“栓が抜けたように”栄養が流れ出す新メカニズムの発見

2025年、浙江大学チームが発見した受精直後にphloemの末端“栓(callose)”が解けて栄養が流入する新メカニズム。種子サイズを分子レベルで制御する新技術に迫ります。
研究

竹×環境修復=新たなグリーンインフラの可能性

モウソウチク(Phyllostachys edulis)が持つ鉛耐性と蓄積能力が注目されています。重金属汚染のバイオレメディエーションに活用できる竹の特性と、都市や農地での新たなグリーンインフラとしての可能性を解説します。
研究

植物の成長を「電気」で加速―次世代農業に挑む“eSoil”とは

植物の成長を加速する新技術「eSoil」。微弱電気で根に刺激を与え、大麦の成長と窒素代謝を大幅に促進。