植物の種子を見分けられますか?
最も身近な植物の「種子」は料理の中でしょうか。米や大豆、胡麻など、様々な種子が料理に活用されています。では、種子を直接料理に使わないものはイメージがつきますか?身近にある植物でも、その「種子」を見る機会は少ないと思います。
植物の研究において、新しい植物種を発見して活用することはよくあります。研究者は様々な種子を自然界から単離して、将来有望な植物を日々探してストックしています。そのため、どの種子がどの植物のものであるか認識するためのデータベースはとても重要です。今日紹介する研究は、そんなデータベースを構築した研究ですが、そこに含まれる種子の写真は多様性に富み、美術的な美しさを示していました。
A dataset for fine-grained seed recognition
「種子」の形は超多様性
「種子」は形、色、大きさなど千差万別です。なんでこんな形になったのだろう?と思えるアーティスティックな種子を御覧ください。
- ヒユ科の砂漠にいる植物です。和名ではホウキギと呼ばれたりしている植物で、その名の通り「箒」の様な形をしています。
- 3メートルほどになる低木です。茎には棘があり、ピンク色のエンドウマメのような花が咲き、その後鞘をつけます。
- マメ科に分類されるハーブ植物です。茎に先端に特徴的な花がつき、色も多様です。世界中に広く自生しています。
- 和名はヤマハギで、卵型の葉をしており、赤紫やピンク、白の花をつけます。秋の七草の1つに数えられています。
- 南ヨーロッパで食用にされている植物です。葉野菜として食べれられたり、サルマという穀類や肉を葉に包んで調理する料理に使用されます。
- 乾燥地で見られる「タンブルウィード」を作る植物です。玉状に育った植物は茎が折れ、転がりながら種を散らします。日本ではオカヒジキとかハリヒジキと呼ばれます。
- カンゾウと呼ばれる生薬の1つです。根にグリチルリチン酸を含み、洋の東西を問わず、紀元前から薬として重宝されています。
- マメ科の30~100cmほどに成長する植物です。晩夏にピンクや紫のマメ科様の花をつけて、レンズ上の種子が採れます。乾燥に強い植物です。
- 和名ではカラスノエンドウとして知られています。ヨーロッパ各地の古代遺跡から食用とされていた証拠が出土しており、人類とは長い付き合いの植物です。
- 観賞用の庭木されるような低木植物で、夏に赤い花を咲かせます。中央アジアでは薪として活用されたりもしています。
「種子」を探してみてください。
食料品店などに行くと、穀類として「種子」を見つけることができます。生の状態から調理されたものまで様々です。食べて美味しい種子ですが、たまには見て楽しむことで、食事の時間はもっと豊かなものになるのではないでしょうか。
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