夜間人工光(Artificial Light At Night: ALAN)は都市生態系の新しい環境要因です。植物では概日時計や開花、光合成、生物間相互作用へ影響し得ますが、効果は必ずしも「悪影響」だけではありません。

2023年の PeerJ 研究では、野生由来のdotted duckweed(Landoltia punctata)を49日間、夜間暗条件または人工光条件で育てました。
160サンプルを2つのboxで比較

各条件80サンプル、開始時2–3 frondsで、昼は自然光、夜だけALANの有無を変えました。週ごとにfrond数を数え、最終的に面積や色も解析しています。
ALAN群では平均frond数と面積が大きくなりました。つまり、この条件では夜間光が成長を抑えたのではなく、むしろ量的な増殖を促しました。
「暗い色=ストレス」と断定はできない
ALAN群では葉裏がより暗く見える変化も報告されました。著者らはanthocyaninなどのpigmentationとストレス応答の可能性を議論していますが、色素を直接化学定量した研究ではありません。
したがって「成長促進とストレスが同時に証明された」というより、成長促進と色調変化が同時に観察されたと読むのが正確です。
1 species・2 boxの室内系という限界
この研究はL. punctata 1種の実験で、ALAN boxとcontrol boxは各1つです。box固有の微環境を完全には分離できないpseudo-replicationの問題が残ります。
また、街路樹、農作物、森林植物へ同じ方向の反応が起こるとは限りません。波長、強度、照射時間、季節性、speciesごとのphotoperiod sensitivityで結果は変わります。
ALANの植物影響は「良い/悪い」の二択ではない

夜間光は追加の光合成機会になる場合もあれば、概日時計や休眠、開花、他生物との相互作用を乱す場合もあります。
このduckweed研究は、ALANが単純な毒性ストレスではなく、生育量と生理状態を同時に変える環境シグナルであることを示す小さな実験例です。
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参考文献
- Nakagawa-Lagisz T, Lagisz M. Shining a light on duckweed: exploring the effects of artificial light at night (ALAN) on growth and pigmentation. PeerJ. 2023;11:e16371. https://doi.org/10.7717/peerj.16371


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