エタノール処理がトマトの熱ストレス耐性に寄与するという論文が発表されました。日本の理研発です。地球温暖化が叫ばれる昨今、熱ストレスは全世界の農作物生産に大きな問題を引き起こしており、効果的な対策が求められています。これまで熱くならなかった地域が熱くなってしまうため、栽培物の変化や収量低下などが予想されます。このような研究は、来る温暖化社会に必須の研究かもしれません。
研究では、トマト(マイクロトムという研究用のミニトマト)の苗にエタノールを前処理(0.12%程度のかなり薄い濃度)し、その後高温環境にさらしました。処理効果を評価するために、生存率、成長、果実の収量、および生理的および分子レベルの応答を測定しました。
エタノール処理はトマトの生存率と果実の収量を有意に向上させ、熱ストレスによる損傷を軽減しました。また、ストレス関連遺伝子の発現パターンと代謝物のプロファイルにも変化が見られました。エタノールをぶっかけると、遺伝子レベルで熱に強くなるということですね。
この研究は、エタノールがトマトの熱ストレス耐性を高める可能性があることを示唆しています。エタノール処理による化学的プライミングが、農業におけるストレス管理戦略の新たな選択肢となるかもしれません。
ビジネスへの応用を考えてみましょう。たとえば、農業資材としてエタノール剤の販売が可能ですね。コロナ禍では、酒造メーカーが手殺菌のための商品を出したりしていました。糖から作られるアルコールは単に嗜好品というだけでなく、他の用途にも応用可能であるという良い例だと感じました。今回の研究結果は、アルコールの新たな使用用途を見出したかもしれませんし、農業は世界規模で行われているため、大きなビジネスチャンスを作り出した可能性もあります。ただし、エタノール、特に酒に関することは複雑な法体系になってい場合があるため、法的に可能かどうかは調査が必要です。
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