モウソウチク(Phyllostachys edulis)は成長が速く大きなbiomassを作るため、重金属汚染地でのphytoremediation候補として注目されます。2025年の Forests 研究は、鉛(Pb)を与えたhydroponic条件で、生理応答・Pb分布・transcriptomeを解析しました。
1〜10 µMでは大きな生育障害が出にくく、50 µMで根が抑制
18日間のPb treatmentでは、1〜10 µMでbiomassやPSII activityへの大きな悪影響は限定的でした。一方50 µMではroot growthが明確に抑制されました。
したがって「高濃度でも全く影響を受けない」植物ではなく、比較的高いPb toleranceを持つがdose-dependentな障害も出ると読むのが適切です。
Pbは主に根へ蓄積した

高Pb条件ではroot Pb concentrationが約15,611 mg/kg、shootは約759 mg/kgに達し、地上部へのtranslocationは根よりかなり低い値でした。
短時間のxylem-loading experimentでは、Pb輸送は濃度上昇とともに増えた後、約57.79 µM付近でsaturationする挙動が報告されています。
これはroot sequestrationとlong-distance transport controlが耐性へ関与することを示します。
transcriptomeでは1,485 DEG
Pb treatmentで1,485 differentially expressed genesが検出され、metal transport、cell-wall biosynthesis、stress responseなどのpathwayが変化しました。
旧記事ではZIP、IRT2、VIT、MTPなど個々のgeneを“3重防御”として確定的に説明していましたが、transcriptome associationだけで各geneのcausal contributionが完全に機能証明されたわけではありません。
「筍は安全」「植えるだけで都市を浄化」は示していない
この研究は鉛を与えたhydroponic seedling experimentです。Pb-contaminated field soilでの長期除去量、土壌中Pbのbioavailability、harvested biomassの処理、根からの回収、ecosystem impactを評価したfield phytoremediation trialではありません。
また、edible bamboo shootのPb concentrationを測定した研究でもありません。根にPbが多かったことから筍が安全と推定することはできません。汚染地で食用生産を勧める根拠にはなりません。
実用化に必要なのは「耐えるか」から「何kg除去できるか」へ
phytoremediationとして重要なのは、植物が枯れないことだけではなく、単位面積・単位時間あたりにどれだけPbを回収できるかです。
モウソウチクの高biomassとPb toleranceは有望ですが、field-scale removal rate、biomass disposal、invasiveness、land managementまで含めて初めて環境修復技術として評価できます。
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参考文献
- Yang F et al. Physiological and Transcriptomic Insights into Lead Uptake and Tolerance in Moso Bamboo (Phyllostachys edulis) Highlight Its Strong Lead Tolerance Capacity. Forests. 2025;16:1007. https://doi.org/10.3390/f16061007


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