カナダ産カノーラ・小麦・エンドウ豆はなぜ低炭素だった?――生産条件がfood milesを上回る例

環境・気候

『地産地消なら必ず低炭素』とは限りません。2025年の Nature Food 研究はISO 14067に沿って、カナダ産rapeseed/canola、non-durum wheat、peasのcarbon footprintをAustralia、France、Germany、United Statesと比較しました。

差を大きくしたのはsoil carbonとN₂O

カナダのカノーラ畑

多くの比較で、field-level N₂O emissionsとsoil organic carbon(SOC)changeが国間差の最大要因でした。SOCを含めたcurrent accountingではCanadaの3作物が比較国より低いfootprintとなりました。SOCを除いても多くの組み合わせでCanadaが低く、例外としてAustralian rapeseedがCanadian rapeseedより低い条件がありました。

Canadian wheatではSOC changeを含めるとfootprintが62%低下、peasでは87%低下しました。peasは0.03 kgCO₂e/kgに対しFrance 0.64、Germany 1.05 kgCO₂e/kgと大きな差が出ました。

極端なcaseでは追加17往復相当までbreak-evenしない

エンドウ豆と国際輸送を考えるイメージ

CanadaからEurope/Australiaへtransportを足しても、production-stageの差が大きいためdestination-country cropより低いcaseがありました。German peasとcanolaとの比較では、Canada産をEuropeへ運ぶ距離をさらに17回分追加して初めてbreak-evenするという極端な計算例も示されています。

ただしこれは『輸送は無視してよい』という意味ではありません。Canada cropを海外へ運んだcaseではtransportがtotal footprintの21〜88%を占めました。

2026年にSupplementary Informationが訂正された

2026年3月24日、Canadian rapeseed/wheat/peasのfield N₂O、SOC change、GHG estimates、sensitivity analysisなどSupplementary Informationの複数値が訂正されました。現在は訂正版Supplementary Informationを基準に読む必要があります。

current articleでは、Canada cropが概して低footprintであること、N₂O・SOCが主要driverであること、transportを加えても逆転しないcaseがあるという中心的結論は維持されています。

一国の平均値を個々の商品へそのまま貼らない

小麦畑

この研究はcountry-level inventoryとassumptionを使ったcomparative carbon-footprint analysisです。同じCanada産でもfarm、year、soil、fertilizer、yield、tillageによってfootprintは変わります。特にSOC sequestrationは永続的に同率で続くとは限らず、accounting methodにも不確実性があります。

したがって『Canada産なら必ず低炭素』『local foodは環境に悪い』ではなく、distanceだけでなくproduction systemまで見る必要があるというのが重要なメッセージです。

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参考文献

  • Bamber N, Turner I, Pelletier N. Rapeseed, wheat and peas grown in Canada have considerably lower carbon footprints than those from major international competitors. Nature Food. 2025;6:757–761. https://doi.org/10.1038/s43016-025-01212-0(Supplementary Information updated 24 March 2026)

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