放牧で山火事の発生確率を減らす。

研究

昨年(2023年)もオーストラリアの山火事のニュースを目にしました。ユーカリの特性を踏まえると、山火事が起こることが前提の環境という興味深い側面もありますが、林業経営においてはやはり痛手だと思います。

そんな山火事を低コストで抑えるには「放牧」が良さそうです。

Assessing silvopasture management as a strategy to reduce fuel loads and mitigate wildfire risk

食べられ、踏み固められる低草・枯れ草

山火事の要因として挙げられるのは、樹木よりも乾燥した背の低い草や枯れ草です。放牧すると、これらは家畜の格好の餌であるために消費され、燃えるものが少なくなります。また、家畜が草を踏み均すために草丈が低くなり、枯れ草も土に還りやすくなるようです。家畜の糞も腐葉土化に貢献しているようでした。

放牧されたエリアは草が低くなった。

放牧を繰り返していくと、放牧されたエリアは草丈が低くなっていました。おそらく、家畜にたべられることで成長点が摘み取られ、草丈が低くなったのでしょう。また植生も変わって、草丈が低い植物の割合が増えたと。背の高い草から食べられたのでしょうね。草丈が低いとバイオマス「植物体量」が減ります。枯れたときの燃える量も減るため、山火事抑制には効果的です。

一石二鳥とまでは行かないけど、ビジネスとしておもしろいかも。

林業は息の長いお仕事です。また森林を管理するのはコストの高い仕事と言えます。それを家畜に担ってもらうのは理にかなっていそうです。また家畜の種類によっては畜産業も同時に可能です。管理制御された畜産システムには敵わないでしょうが、ナチュラルな食肉や牛乳を得られるかもしれません。

なにより、山火事を抑制できますよ?

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