麹菌を「肉らしく」改変する――A. oryzaeでhemeとergothioneineを増やしたsynthetic biology

バイオテクノロジー・材料

糸状菌myceliumは、もともと繊維状の構造を持ち、mycoproteinとして食利用されています。2024年の Nature Communications 研究は、食経験の長い麹菌 Aspergillus oryzae にsynthetic biology toolkitを整備し、栄養・色・風味に関係する代謝物を増やしました。

CRISPR-Cas9 toolkitをA. oryzaeへ

A. oryzaeのCRISPR-Cas9編集とfungal food応用の模式図

研究ではRNP-based CRISPR-Cas9、neutral integration loci、tunable promoters、marker recyclingなどを整備しました。目的は“筋肉遺伝子を入れる”ことではなく、edible fungal biomass自体のmetabolismを設計しやすくすることです。

ergothioneineを増やす

ergothioneineはキノコなどに含まれる含硫アミノ酸誘導体です。engineered strainでは細胞内ergothioneine量を高め、nutritional valueを変えるproof-of-conceptを示しました。

hemeを増やすと菌体が赤くなる

8-step heme biosynthetic pathwayを強化したstrainは赤色を呈し、heme量はhemeを利用する主要plant-based meat productに近い水準へ増加しました。

このfungal biomassは大規模なprotein purificationなしでpattyへ成形でき、色やflavorへの応用可能性が示されました。

そのまま市場へ出せる食品ではない

研究はfood prototypeですが、engineered strainのregulatory approval、allergenicity、production stability、consumer acceptance、scale-up costを完了したcommercial productではありません。

またhemeを増やしたことと「肉の栄養を完全再現した」ことは別です。texture、脂質、amino acid profile、flavorなど多数の要素が必要です。

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参考文献

  • Maini Rekdal V et al. Edible mycelium bioengineered for enhanced nutritional value and sensory appeal using a modular synthetic biology toolkit. Nature Communications. 2024;15:2099. https://doi.org/10.1038/s41467-024-46314-8

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