植物は傷害を受けると揮発性有機化合物(VOC)の組成を変えます。近隣植物がそのVOCへ応答し、防御を誘導・primingする現象はplant–plant communicationと呼ばれますが、野外での検証例はまだ多くありません。
2024年の Scientific Reports 研究は、ヤブツバキ(Camellia japonica)とユキツバキ(C. rusticana)を使い、自然条件でこの現象を調べました。
人工的に傷つけた葉の空気へ健全枝を曝露

研究では葉をclippingしてartificially damaged plant volatiles(ADPVs)を発生させ、同一個体の別枝や隣接個体の枝をその空気へ曝露しました。さらに、傷害枝のheadspace airを健全枝へ送るair-transfer experimentも行っています。
隣接植物では、intact leafの空気へ曝したcontrolより、damaged leaf由来VOCへ曝露した枝でその後のleaf damageが少なくなりました。air-transferでも同様のdamage reductionが見られました。
効果は最大3か月追跡された
Experiment 2ではvolatile exposure後のdamage reductionが3か月後まで観察されました。短時間のVOC cueが長期的な抵抗性変化またはprimingを引き起こす可能性があります。
ただし、最初のyearではneighbor branchの差が統計的に有意でない比較もあり、すべての実験で同じ強さの効果が出たわけではありません。
「植物が悲鳴を上げて仲間へ警告」は比喩
VOCが情報として利用されることは実験的に支持されますが、植物が意図や感情を持って警告しているわけではありません。今回の研究でも、効果を担うkey compoundや防御遺伝子はまだ同定されていません。
農業応用も興味深いですが、特定VOCをハウスへ散布すれば農薬代替になる、という段階ではありません。species、VOC濃度、風、害虫、曝露timing、安全性を含む検証が必要です。
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参考文献
- Sakurai Y, Ishizaki S. Plant–plant communication in Camellia japonica and C. rusticana via volatiles. Scientific Reports. 2024;14:6284. https://doi.org/10.1038/s41598-024-56268-y


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