植物生理学

研究

植物の成長を「電気」で加速―次世代農業に挑む“eSoil”とは

地球規模で進行する人口増加、気候変動、都市化といった複合的な課題は、私たちの食料生産システムに大きな変革を迫っています。特に都市型農業や水耕栽培といった新たな栽培形態が注目を浴びる一方で、それらの方法はまだ発展途上にあり、植物の栄養吸収の最...
研究

日本と世界のダイズはこんなに違う!?ゲノム解析で見えた驚きの秘密、そして最新ゲノム研究が明かす育種のカギ。

ダイズは、世界中で食用や飼料、油脂の原料として重要な作物ですが、その遺伝的多様性にはまだ多くの未解明な部分が残されています。今回、Nature Geneticsに掲載された研究では、日本と世界のダイズ品種の遺伝的多様性を明らかにするために、...
研究

イネ科植物を支える特別な根「支柱根」を作る遺伝子を探せ!

支柱根(しちゅうこん)を見たことはありますか?植物の根の中でも特別な構造の根で、主にイネ科の植物や熱帯地域の植物に見られます。トウモロコシの根元部分ではよく支柱根が発達しています(下図参照)。この根の構造は、地上部分から斜めに伸びて地中へ入...
研究

ヒトの中に植物のタンパクに形も機能も類似したタンパク質が存在していた!

ヒトと植物を並べても、同じ生物とは思えませんよね。しかし、タンパク質レベルのミクロな解析では類似点が見つかったという報告がありました。この部分だけはヒトと植物は皆親戚なのか。 ヒトのタンパク構造解析を行っていた。 ある研究グループは、ヒトの...
研究

植物中の分子を組み合わせて、新しい農薬を作る!「抗菌ペプチド+機能ドメイン」

サスティナブルな作物生産につながる新しい物質が報告されていました。植物内にある2つの分子をくっつけただけのその分子は、病気や害虫対策に効果を発揮するみたい。この分子の研究について紹介します。 抗菌ペプチド分子 抗菌ペプチド(Antimicr...
研究

新品種の一歩手前。強みを活かした混植は農業開発スピードを加速する。

複数の品種を同じフィールドで栽培する「混植」の可能性を示してくれる興味深い研究が報告されました。今回は混植の可能性について、お話したいと思います。 混植の可能性 複数の植物種や品種を同じフィールドに植える「混植」は、さまざまな恩恵をもたらし...
研究

キュウリの花首の長さを調整するメカニズムが特定された!基礎研究かと思いきや、未来型キュウリ開発の重要なファクターだった。

キュウリの花首、正確には「花柄」ですが、この長さを調整するメカニズムが特定されました。植物内のある特定の成分が変化すると、細胞が変化して花柄の長さが変化していくことが判明しています。これが何になるの?そう思ったのではないでしょうか。実は、花...
研究

毒と薬は紙一重。植物にとって毒とされてきた物質「フシコクシン」による植物成長促進効果。

これまで毒と認識されてきた物質が、適切な環境であれば「成長促進」という逆の効果を示すことがわかりました。その物質は「フシコクシン」です。植物病原菌から単離された物質で、樹木の枯死を招いてしまう毒として認識されていました。しかし、フシコクシン...
研究

莢が開かないダイズを求めて。ダイズの開裂遺伝子の探索は続く。

ダイズは世界で重要な作物です。ダイズ食品が食卓に並ばない日は無いと言っても過言ではないでしょう。このダイズの収量を左右する課題の1つに「莢の開裂」があります。簡単に言うと、乾燥時の種の飛び散りやすさです。ダイズが飛び散りが減ると、収量が減ら...
研究

植物の「抵抗性」とは何か?

植物が病気や害虫に強いことを「抵抗性が強い」と表現します。この「抵抗性」は単一の機能ではなく、化学物質を合成したり、組織や表面の形を変えたりと、さまざまな機能が組み合わされています。どんな病気や害虫にも効果のある万能な抵抗性は存在しません。...