研究

1塩基欠失でイネが強くなる? 乾燥といもち病に二重耐性を与える短縮NLR

イネのNLR8に生じたわずか1塩基の欠失が、乾燥耐性といもち病抵抗性を同時に高める自然変異NLR8-Hap2を生み出していました。Nature Communicationsの最新研究を解説します。
遺伝・ゲノム・育種

「分裂組織まで届けない」という発想。TRVとTnpBでトマトの遺伝性ゲノム編集を速くする

植物ウイルスTRVに小型ゲノム編集酵素TnpBを載せ、感染部位近傍からde novo shootを形成させることで、トマトの次世代へ編集を伝えるPNAS論文を詳しく読み解きます。
遺伝・ゲノム・育種

朝は雌、午後は雄――アボカドの開花時計を支えるSDMYBと4400万年以上の多型

アボカドA/B型の開花時刻差をSDMYB haplotypeへ結び付け、44 million yearsを超えるtrans-species polymorphismとして示したPNAS 2026研究を解説します。
研究

虫が付いているだけでは食虫植物ではない――「虫を食べている」を証明したユキノシタ属植物

虫が付いているだけでは、まだ食虫植物とは言えません。捕獲、消化、そして¹⁵N標識したハエの窒素が植物体へ移るところまで、一つずつ証明したユキノシタ属植物の研究を紹介します。
農業・栽培技術

バイオスティミュラントは天然物だけではない――気孔K⁺チャネルを狙う「植物創薬」の可能性

バイオスティミュラントは天然物だけではありません。2026年研究では気孔K⁺チャネルKAT1を狙う合成化合物で乾燥耐性を誘導。日本の2025年ガイドラインと、BS・植物成長調整剤の境界を整理します。
生態・進化

世界最古の琥珀は3億8500万年前――種子植物より古い樹脂が示す植物化学の起源

中国・新疆のMiddle Devonian地層から約3億8500万年前の化学的に確認された最古の琥珀が報告されました。producer plantや樹脂の進化目的は未確定ですが、植物のterpenoid resin chemistryを大きく遡らせます。
植物生理・発生

植物細胞は「酸」で伸びるのか――WALLΦが見せた根のpHと伸長のずれ

cell-wall pH sensor WALLΦでArabidopsis rootを測ると、局所pHと局所伸長速度は単純に一致しませんでした。酸成長説を否定するのではなく、その成立範囲を精密化した研究です。
生態・進化

鏡像花はどう作られる?――花粉を昆虫の左右へ載せ分けるsupergeneと重力

鏡像花の左右差は、MIR156-RとYUCCA-Rを含むsupergeneと重力応答の組み合わせで形成され、pollinatorの体上で花粉を左右へ載せ分けます。2026年Science査読版へ更新しました。
食・天然物

果糖ぶどう糖液糖は何者か――植物でん粉と酵素が作った食品産業の巨大技術

果糖ぶどう糖液糖は、植物のでん粉と微生物酵素を結ぶ巨大なバイオプロセスです。HFCS固有の健康リスクと、遊離糖の過剰摂取によるリスクを分けて2026年時点の証拠を整理します。
食・天然物

ニラは部位で香りが違うのか――切ると立ち上がる硫黄化合物を調べる

ニラは切ると含硫香気が立ち上がり、器官ごとに揮発性成分の分布も異なります。ただし葉先・中央・根元の違いを直接証明した研究ではありません。家庭観察と科学的証拠を分けて整理します。