植物工場ではLEDと養液管理を別々に考えがちですが、実際の生育は両者の相互作用で決まります。2023年の Scientific Reports 研究は、Lollo RossaとLollo Biondaの2品種を使い、光スペクトルと栄養液交換法を組み合わせて42日間評価しました。
4種類の光×3種類の養液管理

光はwhite、red、blue、red/blue 3:1。養液は完全交換、EC基準の部分交換、plant needs基準の補給を比較しました。NFTとfloating hydroponicsの両方が使われています。
PPFDは215±5 µmol m−2 s−1、photoperiodは16/8 hです。
赤青光は有望だが「常に最良」ではない

red/blue組み合わせは多くの条件でshoot fresh massやyield indexを高めましたが、効果は品種と養液管理、栽培systemで変わりました。Lollo Biondaではblue単独が高い値を示す条件もあります。
したがって「赤青LEDがレタスの絶対的最適解」という研究ではありません。
水使用量は完全交換で大きく増えた

NFTでは42日間に、完全交換法で約60 L、EC基準とplant needs基準ではそれぞれ約15 Lが使われたと報告されています。完全交換は排液と水消費を大きくします。
一方、養液を使い続ければ元素比は崩れます。研究でもN、K、Znの蓄積やFe減少が観察され、ECだけでは個々の元素組成を完全には管理できないことが示唆されます。
“plant needs基準”は自動的な万能制御ではない
旧記事ではplant needs基準を「成長段階や健康状態に応じた洗練された調整」と説明していましたが、実際には研究で定義された補給方法です。商用植物工場で同じ制御をそのまま使えるとは限りません。
最適条件は品種、PPFD、温度、価格、栽培期間、品質目標で変わります。2026年現在もEC×光強度などの相互作用研究が続いており、植物工場では単一parameterではなくmulti-factor optimizationが主流です。
関連するテーマとして、厚さ4.5 µm・透過率85%以上のPlant e-skin――葉を覆いながら成長と温度を連続計測もあわせて読むと背景がつながります。
関連するテーマとして、葉の表裏で気孔のK⁺チャネル構成が違う――KAT1とAKT1が作る光応答の非対称性もあわせて読むと背景がつながります。
関連するテーマとして、エタノールで植物の暑さ対策はできるか――chemical primingの証拠と、家庭利用を勧められない理由もあわせて読むと背景がつながります。
参考文献
- Soufi HR et al. The plant growth, water and electricity consumption, and nutrients uptake are influenced by different light spectra and nutrition of lettuce. Scientific Reports. 2023;13:20766. https://doi.org/10.1038/s41598-023-48284-1


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