ドローン画像から畑全体の収量を予測する研究は多くあります。2023年の Scientific Reports 論文は一歩細かく、ハクサイ1196株を個体ごとに検出し、各株の収穫重量を予測しました。
RGB画像で95%以上の個体を検出

東京の実験圃場で、UAVにRGB cameraとmultispectral cameraを搭載して複数時点の画像を取得しました。RGB orthomosaicとobject detectionを使うことで、個体の95%以上を自動検出できました。
個体ごとに位置を追跡できるため、同じ株について生育時期の異なる形態・spectral featureを積み重ねられます。
複数時点のfeatureで収穫重量R²=0.86

multi-temporal featuresを使った最良モデルでは、個体収穫重量のpredictionでR²=0.86、RMSE=436 g/plantを達成しました。
単一時点だけでなく、生育経過を時系列で見ることが精度向上に効いた点が重要です。
収穫53日前でもR²>0.72
さらに、収穫の最大53日前でもR²>0.72、RMSE<560 g/plantの予測が可能でした。
これは、収穫直前に重さを当てるだけでなく、1か月以上前から個体差を把握し、作業計画や選抜へ使える可能性を示します。
「AIでどこでもキャベツ重量が分かる」わけではない
試験は1196株を植えた一つの実験圃場・特定栽培条件で行われました。品種、作型、地域、土壌、撮影高度、camera、天候が変わった場合に同じ精度が出るかは別途検証が必要です。
またR²=0.86でも個々の株に数百g単位の誤差があります。出荷規格判定などに直接使うには、目的に応じた誤差許容幅の評価が必要です。
研究用途と営農の両方に面白い

個体ごとの時系列phenotypingができれば、栽培管理だけでなく育種試験でも有用です。多数個体を非破壊で追跡し、最終重量と途中の生育特徴を結び付けられるためです。
UAV×AIの価値は「畑を上から撮れること」だけではなく、個体を識別して時間軸を持ったデータへ変換できる点にあります。
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参考文献
- Aguilar-Ariza A et al. UAV-based individual Chinese cabbage weight prediction using multi-temporal data. Scientific Reports. 2023;13:20122. https://doi.org/10.1038/s41598-023-47431-y


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